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編集後記(事務局から)


 編者は1980年代と1990年代に2年ずつ2回インドネシアに長期赴任を経験したことがある。前者はスハルト大統領のもとで国家経済の屋台骨を支えるインフラの整備が重点的に行われ、安定した経済成長を続けたスハルト全盛期であり、後者は同大統領の末期、さまざまな矛盾が顕在化し、ついにはスハルト退陣を余儀なくされた時期だった。

 1997年のアジア通貨危機後には、民主化と地方分権の波が押し寄せ、インドネシアでは一時的に政治経済が混乱したものの、2004年の初の直接選挙により選ばれたユドヨノ大統領の下、インドネシアは再び安定した経済成長の軌道に戻った。2000年代半ばからは、国民一人あたりの所得も一段と向上し、インドネシアは、2008年にはASEAN唯一のG20のメンバー国となった。

 このたびの「インドネシアの水道に関する情報提供シリーズ」の中間とりまとめにあたって、2018年4月から2020年4月までの2年間余(25回)にウエブサイトへ掲載された合計130編の情報にあらためて目を通した。これまで掲載された月ごとに情報に目をとおしてきたものの、こうして全体を読み通してみると、あらためて最近のインドネシアの顕著な経済発展が目に浮かぶとともに、インドネシアの特徴である「多様性」を感じ、とても感慨深いものがあった。
 ところで、2014年にIPSOS香港社が実施したASEAN7カ国における対日世論調査によれば、インドネシア回答者の95%が「両国間に友好関係が存在し、信頼できる友である」、と回答しており、また、92%が「日本の経済技術協力が自国の発展に役立った」と回答しているという(JICA資料による)。こうした意識は、日本側にも同様のものがあり、インドネシアに何らかの関りを持ったことのある人の大半は、インドネシアに親愛の情を抱いていると言って過言ではないだろう。

 長い年月をかけて培われた人材の交流と相互理解の深化は、両国にとってかけがえのない財産であり、今後も両国が良きパートナーとして、海洋開発、防災、社会保障、都市化への対処といった共通の課題だけでなく、気候変動対策など、アジア地域及び国際社会の課題に取り組んでいくことが期待される。

 このような時代にあって、私たち日本人にとって、インドネシアをもっと知るための努力の重要性はますます大きい。本シリーズの情報が、「インドネシアをもっと知りたい」という心を同じくする人たちにとって、役立つものであることを願うものである。中間とりまとめの作成にあたり、本シリーズの情報整理に尽力された小島高志幹事並びに会員の田所孝生氏及び増岡俊生氏に対し、深甚の謝意を表したい。
                                                                    (2020年5月、山村尊房)
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